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研究施設紹介

量子サイエンスコース/量子エネルギー工学専攻においては他ではなかなか見ることができない大規模な実験施設を複数有しています。

オープンキャンパスや研究室公開以外の機会でも適宜対応させていただきますので、各施設に関する詳細問い合わせや見学希望などについては量子エネルギー工学専攻専攻長室までご連絡ください。



高速中性子実験室

東北大学高速中性子実験室は、450万ボルトのダイナミトロン加速器を中心とする施設です。加速器とは、水素、ヘリウムなどのイオンを電場により加速する装置で、これにより加速したイオンビームを物質に照射し、イオンビームと物質の相互作用による現象を利用した種々の実験を行っています。本実験室を利用した主な研究は、「超微量元素分析が可能なイオンビーム分析法の環境、生物、医学、考古学分野への応用」「イオンビームを微細化すマイクロ・ナノビームシステムの開発」、「元素の空間分布をミクロンの分解能で可視化するマイクロ・ナノプローブの開発と応用」、「ミクロンの分解能で3次元画像を取得するPIXE-CT/ミクロンCT の開発と応用」、「核融合炉材料、原子炉材料の開発」、「中性子検出器の開発」、「BNCTの基礎研究」、「超伝導材料の照射効果の研究」の等の広い分野に渡っております。これらの実験を効率よく行うために、実験室には6本のビームラインが整備されており、そのうちの3本はビームをマイクロメータからサブミリまで集束させることのできるマイクロビームラインとなっている、世界的にみてもまれな施設であります。本加速器は、1974年に導入された装置ですが、最新の技術を取り込んだアップグレードにより、性能向上を図っており、これらの研究を支えています。





ペレトロン加速器

ペレトロン加速器(米国NEC社製)は、東日本大震災で全損した加速器に替わる新加速器として2014年9月に臨界未満実験室に導入されました。本加速器は1MVタンデムバンデグラフ型静電加速器で、RF型とセシウムスパッタ型の2つの負イオン源を有しており、水素、ヘリウムなどの軽元素から最も重い安定元素のビスマスまで、様々なイオンビームを加速器することが可能です。ビームの最大エネルギーは、水素(陽子)ビームで2MeVです。重イオンビームの最大エネルギーは電荷状態によって異なり、2+のイオンで3 MeV、3+のイオンで4 MeVです。現在、ペレトロン加速器は、量子サイエンスコースの3年生を対象とする機械知能・航空実験IIの「加速器応用実験」課題で利用され、加速器の原理や運転制御と、鉄イオンビーム照射実験による材料照射効果について学ぶことができます。今後は、量子エネルギー工学専攻の大学院実習への利用も予定されており、さらに将来的には、ビームラインを増設し、微量元素分析や材料照射実験など研究への利用拡大も検討されています。





先進核融合炉工学総合実験棟

先進核融合炉工学総合実験棟は2013年に完成した施設です。建物内は研究施設である「先進核融合炉工学オープンラボ」と工房である「量子エネルギー機械工作室」に分かれています。 「先進核融合炉工学オープンラボ」では、プラズマ実験装置を用いた核融合プラズマ研究、超伝導マグネット、ブランケット、ダイバータなどの核融合炉内の機器の開発を行う核融合炉工学研究が実施されて います。 本コース/専攻は、炉心プラズマ研究、炉工学研究、材料研究など核融合炉開発における各分野の研究を行っている研究室が1つの専攻内に複数存在しているという特長を有しており、先進核融合工学総合実験棟は分野間連携を図りながら、核融合炉研究開発を推進することができる 特長的な研究施設として期待されています。





RI実験室

放射性同位元素実験室は1973年に整備された施設であり、アクチノイド元素を含む非密封放射性同位元素を使用することができます。核原料・核燃料物質の使用施設としても承認されており、使用承認核種(非密封)は146核種を数えます。これまで、本コース/専攻における放射化学や原子炉材料、 放射性廃棄物の処理処分等の研究に使用されてきております。また、本コース/専攻では,非密封の放射性物質の取扱に関する実験実習等の教育にも本施設を活用しています。今後も本施設は,さらなる研究開発、ならびに原子力関係の技術者育成のための拠点として、 重要な役割を担い続けます。

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